T130 Darjeeling Seeyok, DJ-71 FTGFOP1 CH 2021 Second Flush
2021年6月16日製茶
2021年のセカンドフラッシュは7銘柄。中でもおすすめは、こちらのシーヨック茶園DJ-71。
後口の良さが延々と続いてゆく感覚、余韻の長さが素晴らしく、きれいに甘い。味わいのグラデーションがスッと切れるその感じに、うっとりしてしまいます。ずっと飲んでいたくなる、そんな香りと味わいです。
現在、コロナの影響や、バイオダイナミック農法に関心を持つ顧客がヨーロッパを中心に増加していることから、世界的に価格が高騰するなか、奇跡的に出会えたロットです。ぜひお試しください。
● ウーフ好みのマスカテルフレーバー
今年、多くのサンプルを試すなかで、シーヨック茶園のロットナンバー55番から急激に、東方美人のようなマスカテルフレーバーが感じられるサンプルがたくさん届きました。
茶殻を広げてよく見ると、黄色い茶葉の中に黒い点のような虫が噛んだ後があります。この部分を酸化発酵させることによってできる独特な香りが、マスカテルフレーバーと呼ばれるもの。東方美人の場合にはウンカという虫が噛んで酸化発酵させることで生まれる香りを指すため、「ウンカ味」とも呼ばれますが、シーヨック茶園もまた、虫たちが茶葉を噛んだ部分を酸化発酵させる部分が共通しています。
マスカテルフレーバーといえば、現在ではクローナル種の茶葉が中心ですが、シーヨック茶園の茶樹は、ほとんどが中国種です。そもそも、東方美人を彷彿とさせるような中国種の正統派なダージリン、正統派なマスカテルフレーバーのセカンドフラッシュに巡り合えることは極めて稀なことですが、重ねて、ここまでウーフ好みの味わいの茶葉に出会えることは、さらに稀なこと。奇跡的な出会いに、心から感謝しています。
● バイオダイナミック農法から生まれる、シーヨック茶園のお茶
シーヨック茶園は、1860年代に創業した歴史ある茶園で、ダージリン地区内ではシンゲル茶園、セリンボン茶園と兄弟茶園にあたります。現在のオーナーにより、1993年からこれらの全域においてバイオダイナミック農法が採用されるようになりました。
セリンボン茶園とシーヨック茶園は谷続きで、斜面は南から西向きに面しています。ウーフが現地を訪れた際は、谷に沿ってシーヨックからセリンボンにかけて見渡す景色に、深い感動を覚えました。
これら3茶園が素晴らしいのは、積極的にバイオダイナミック農法(循環型自然農法)に取り組んでいる点です。茶園内のファクトリー(茶葉の加工場)のそばにはハーブガーデンがあり、マリーゴールド、ヤロウをはじめとするたくさんのハーブが茶樹の肥料とされています。また、これらのハーブ類は家畜の排泄物などを肥料にして育てられています。ここには、完全に化学的なものを排除した土地の循環があり、植物は力がみなぎり、同時に虫たちが集まってきます。
● おすすめの飲み方
・ホットティー:茶葉1gに対して水200−250mlの割合
※熱湯抽出する際には、金属に触れないようご注意ください。ポットは陶器製やガラス製をご使用ください。